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「苦い飲み物でみんなを笑顔にする」
「苦い飲み物でみんなを笑顔にする Factory & Laboratory」のコンセプトを掲げ、東京の昭島市でビール・コーヒーに共通する“苦い飲み物”、そしてモノづくりと実験の場であり続ける”イサナブルーイング”。お店づくりには大手のカフェが採用する考え方も取り入れ、お客さんとのコミュニケーションを大切にされていらっしゃいます。本日はイサナブルーイングオーナーの千田さんに、起業のきっかけ、おすすめのビールとフードペアリングのお話をお伺いしました。
コーヒー&ビール好きがイサナブルーイングの出発点。
−まずは起業のきっかけを教えてください。
千田さん
まず、私の経歴をお話しします。大学は工学系で、ものをつくるのが好きだったため、機械設計を選考していました。また、在学中の4年間はスターバックスでアルバイトをし、コーヒーと接客が好きになりました。
スターバックスには特有の考え方があり、コーヒーをただ販売するのではなく「我々とお客様のコミュニケーションツールの一つとしてコーヒーを提供する」という考え方がとても素敵だと思いました。このアルバイト先はとても魅力的でしたが、憧れのアルバイト先であったため、自分の技術で世の中を良くしたいという思いがあったので大学卒業後はメーカーに就職しました。
社会人になってからはカフェ巡りが趣味になりました。大学生の時よりもコーヒーが好きになり、とうとう自家焙煎をはじめました。しかし、サラリーマンとして働きながらもどこか頭の片隅では起業してカフェをオープンしたいなと思うこともありましたが、カフェ経営の難しさを想像し、起業への道を踏み出せませんでした。
コーヒーと共にクラフトビールも好きだったので、日本各地の醸造所やビアバーで様々なクラフトビールを飲みました。エールビールの本場、ロンドンにも飛びました。
クラフトビールの文化に触れることで、小規模でも醸造が可能ということを知りました。クラフトビールには『ブルーパブ(Brew=醸造 Pub=飲食店)』というビール醸造所が併設された飲食店形態もあり、造り手とお客様が近い距離にあるのです。
これは、スターバックスの考え方にも似ており「ビールでもお客様のコミュニケーションツールの一つになれるのではないか、そしてクラフトビールも造り手と飲み手のコミュニケーションツールになることができる」ということに気づき、さらに「醸造は商売の武器になる!」と考えて、クラフトビールを造ろうと決意しました。コミュニケーションの場は必ず欲しいと思っていたので、ブルーパブスタイルを選択し、同時にお店の中でコーヒーの自家焙煎もできるようにしようと思いました。
イサナブルーイング名前の由来とは。
−スターバックスでのアルバイトの体験が起点となって、事業設立につながっているのですね。イサナブルーイングという名前の由来を教えてください。
千田さん
東京の昭島市でビールを造っているのですが、昭島市の土地にゆかりのある社名にしたいと思っていました。実は昭島市は鯨が有名で、60年ほど前に昭島市の多摩川の河川敷で200万年前に生存していた『アキシマクジラ』と呼ばれる鯨の全身骨格が発掘されたのです。昨年その鯨が新種に認定されました。
日本に現存する最古の和歌集として有名な万葉集によると、昔の人は鯨のことを『勇魚(ヨミ:イサナ)』と呼んだそうです。私自身、鯨も好きだったのでそれが由来して『イサナブルーイング』と名付けました。
弊社のロゴにも鯨が隠れていて、鯨とビールの発酵タンクが合わさっているロゴになっていまして、愛着があって気に入っています。
−コーヒーの提供にはどのようなこだわりがあるのですか。
千田さん
コーヒーにもこだわっており、自家焙煎をしています。醸造と焙煎を両方している会社は日本ではかなり珍しいと思います。オリジナルの『イサナブレンド』はご好評いただいております。クラフトビールを飲んだ後にコーヒーで最後を〆る方もいらっしゃいます。イサナブルーイングを満喫していただけていると感じ、とても嬉しいです。お酒が好きな人はもちろん、お酒が飲めない方でも十分にお楽しみいただけます。
千田さんおすすめのビール。
−お店では何種類のビールを飲むことができるのですか。
千田さん
店舗では12種類のビールを提供しています。そのうち数種類はこだわりのゲストビールも提供しています。オリジナルビールは年間で30種類以上製造しており、季節ごとに様々なビールが楽しめます。
特に、イサナブルーイングでしか飲めない『ナイトロビール』はおすすめです。ナイトロビールとは、二酸化炭素の代わりに純窒素ガスを高圧でビールに詰め込んだ、生クリームのようなフワフワの泡を楽しめる付加価値の高い一杯です。
千田さん
まず『吟醸ヴァイツェン-吟ぎんが-』が特におすすめです。純米吟醸用の米麹を、小麦を使った白ビールに入れて発酵させました。米麹が持っている酵素はビール酵母が食べきれない大きさの糖を分解してくれます。ヴァイツェンは酵母由来のフルーティな香りが特徴的ですが、さらに米麹の酵素の働きによる日本酒が持つ香りを与えてくれます。この2つの香りの相性がバッチリなのです。
さらに、日本酒とのハーフ&ハーフで割って飲むととても美味しいです。現在提供中の吟醸ヴァイツェン-吟ぎんが-は福生市にある田村酒造の米麹を使用した酒蔵とのコラボレーションビールです。
千田さん
次に『Classic Coffee IPA』がおすすめです。フルーティな香りを持つコーヒー豆(例えばエチオピアやパナマ)と、アメリカ産の柑橘系の香りを持つホップが相性が良いのではないかと閃いて仕込んだコーヒーとホップが香るIPAです。見た目はIPAのスタイル通りにクリアで金色な見た目ですが、コーヒーの香りをふんわりと感じることができる仕上がりになりました。
千田さん
最後に紹介するのは『ビター』です。イギリスで古くから作られている伝統的なスタイルのビールです。ビターという単語はチョコレート業界では苦いというイメージがありますが、ビール業界では麦のフレーバーを最大限に楽しめ、アルコール度数も低めで炭酸も少ない、軽くて飲みやすいビールです。
原料はヨーロッパ産のホップと麦芽を使用しており、上品な優しい苦味を持ったホップが特徴ですが、ホップの主張は強く無く、麦の優しいフレーバーを味わえます。
クラフトビールとのフードペアリングのご紹介
−イサナブルーイングのビールに合わせて楽しめるフードペアリングのおすすめはありますか。
千田さん
吟醸ヴァイツェン-吟ぎんが-は日本酒の香りがするので、お寿司や和食系の料理に合うと思います。日本酒は魚の生臭さを消してくれるので、ぜひ魚の素材を生かした食事に合わせて欲しいですね。お店でテイクアウトできる商品では、自家製たまごピクルスのサラダガレットはおすすめです。たまごピクルスの優しい酸味と吟醸ヴァイツェンのコクが相性抜群です。
千田さん
Classic Coffee IPA はお肉系の料理にも合いますし、コーヒーの香りがするのでフルーツタルトなどのスイーツとも相性が良いです。ビターはイギリスのスタイルのビールなので、フライドポテトや魚料理など様々な料理に合わせられると思います。
−最後に、イサナブルーイングのビールはどういった方に飲んで欲しいですか。
千田さん
クラフトビールをあまり飲んだことがない方はもちろん、クラフトビールが大好きな方にも飲んで欲しいと思います。イサナブルーイングでは他社では試みていないような一風変わったビールも製造しているため、お客様が幅広く楽しんでいただけると思います。
Director’s Voice
イサナブルーイングではコロナウイルスの影響も加味して、今後はテイクアウト販売の強化を行っているそう。食事はもちろん、自家醸造のクラフトビールもテイクアウトを実施しているので、クラフトビールと食事をテイクアウトで購入されてご自宅で楽しまれるのがおすすめです。また、テイクアウトだけではなくオンラインショップの販売も検討されており、時代に合わせてお店のあり方を変化させていってらっしゃいます。イサナブルーイングファンからは待ち望まれているのではないでしょうか。今後のイサナブルーイングの動向に目が離せないですね。
Junki Tada
イサナブルーイングについて
店舗名 | イサナブルーイング ブルワリー&ロースタリー |
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住所 | 〒196-0015 東京都昭島市昭和町2-7-15 エクセレンス昭島 1F-B |
TEL | 050-5327-9884 |
営業時間 | 12:00~20:00(オーダー受付 11:30~19:30) |
定休日 | 火・水・祝翌平日 |
WEBサイト | https://www.isana-brewing.com/ |
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