二日酔いで胸やけが止まらないときの対処法
【連載シリーズ】ビールを美味しく飲むためにビールのことをもっと知ろう! −第3話、あなたはエール派?それともラガー派?知られざるビアスタイル。ラガー編
今回の登場人物
酔生夢死子 ライター・デザイナー時々ミュージシャン。10年会社員を務めた後、フリーランスに転向。現在は気の向くまま、思うまま、酔いと共に日々を過ごす。「できないことはできない。しない。」がモットー。
前回は、フルーティで複雑な味わいが特徴なエール(上面発酵)で造られるビールのスタイルを8つ紹介しました。今回はシンプルですっきりした味わいが特徴なラガー(下面発酵)で造られるビールのスタイルを8つ紹介します。それでは、ビールの旅へいってらっしゃい。
チェコで造られるラガーとは。
ボヘミア・ピルスナー
アルコール度数 4.1~5.1%
ビールの色 ゴールド
発祥はチェコのピルゼン市で1842年に誕生。爽快な喉越しと美しい白い泡、黄金に輝く色合いはまさにビールの真骨頂。上品なホップの香りと、すっきりシャープな味わいは世界中でもっとも飲まれているスタイル。
失敗からの世界征服!
上質なホップを作ることはできたけど、美味しいビールにたどり着けなかった当時のビルゼン。そこでドイツから醸造家を招き指導を仰ぎます。しかしドイツは硬水、ビルゼンは軟水だったため、それまで作っていた褐色のビールとは全く違うものができてしまいます。よもや失敗!?と思いきや、飲んでみるとこれが美味い!
ホップの香りと苦味が爽快に彩られ、飲みやすさが断然アップ。ドイツのジャーマン・ピルスナはこのスタイルを真似て造ったピルゼン・タイプのビール。今では世界中で愛されるビールとなり、日本でも90%のビールがこの元祖ピルスナーなのです。
ドイツで造られるラガーとは。
ジャーマン・ピルスナー
アルコール度数 4.6~5.3%
ビールの色 ライトゴールド
ボヘミア・ピルスナーを真似て造られたスタイル。元祖ピルスナーよりも色が薄く、ボディーが軽いのが特徴。ホップの強い苦味を感じることができ、透明に澄んだ綺麗なゴールド色をしている。
ドイツ流のピルスナー
ドイツの軟水を使っていて、北ドイツでは盛んに造られるラガーでも代表的なスタイルです。ボヘミア・ピルスナーとの飲み比べを行って、微妙な相違点を感じて欲しいです。
ドルトムンダー(エクスポート)
アルコール度数 5.1~6.1%
ビールの色 ゴールド
ジャーマン・ピルスナーに刺激を受けてドルトムントで生まれたビール。ピルスナーに比べるとホップのアロマとフレーバーは弱い。中央ヨーロッパの淡色ビールと言われるピルスナーファミリーのうちの一つ。
ピルスナーファミリーとしてドイツでは有名
このビールもピルスナーの影響を受けたビールです。中央ヨーロッパにはピルスナーファミリーという4つのスタイルが代表的です。日本ではあまり知られていませんがドイツ最大のビール生産都市である、ドルトムントで造られている。
ミュンヒナー・ヘレス
アルコール度数 4.5~5.5%
ビールの色 淡いゴールド
ミュンヒナー・ヘレスもピルスナーファミリーのうちの一つ。ボヘミア・ピルスナーのミュンヘン版。南ドイツ野水は炭酸塩が含まれており、ホップが持つ渋みやえぐみを出してしまうため、ボヘミア・ピルスナーのようにホップがきいていない。ピルスナーファミリーの中では最も香りと味わいが軽いスタイル。
南ドイツ版ピルスナー
ヘレスとは淡色という意味であるように色合いは淡いゴールドをしているビールです。ミュンヘンではデュンケルという濃色のスタイルもあり、見た目や香り、味わいがよく比較される。
シュヴァルツ
アルコール度数 3.8〜4.9%
ビールの色 非常にダークなブラウン〜ブラック
バイエルン地方発祥といわれるビール。ドイツ語の「黒」を意味するシュヴァルツはその名の通り黒ビール。苦味は弱く、香ばしい香りとラガーの爽快感、すっきりとした喉越しが特徴。
黒ビールの大本命!?
シュヴァルツといえばその独特のコク深い香り。その秘密は100度以上の高温で麦芽を焦がす「焙煎」にあります。じっくり高温で焦がした麦芽はまるでコーヒーのような香り。モルトの甘みや黒ビールの香りをしっかり引き出してくれるラガーグラスで飲むのがオススメです。
トラディショナル・ボック
アルコール度数 6.3〜7.6%
ビールの色 ダーク・ブラウン
アルコール度数の高いビール。濃い麦汁をふんだんに使うことによる甘みやフルーティーな香りが特徴。焙煎した麦芽の香りが強く、どっしりとした味わいに。
その衝撃「ヤギのキック」。
ドイツ語でボックとは雄ヤギのこと。「ヤギのキック」のように強いお酒だ!とも言われ、通常のビールでは飽き足らないコアなファンに支持されています。ドイツ語で「2倍」を表す「ドッベルボック」や、ドッペルボックを凍らせてアルコールを凝縮させた「アイスボック」など、お酒好きにはたまらないスタイルかも!?
オーストリアで造られるラガーとは。
ウィンナスタイル・ラガー
アルコール度数 4.8〜5.4%
ビールの色 カッパー(銅色)〜赤みがかったブラウン
オーストリアのウィーンが発祥。ウィンナーモルトのトーストのような香りが特徴でホップの苦味も弱め。どんな人にも飲みやすいので初心者にオススメ。
マイケル・ジャクソンも好んだビール
現在オクトーバフェストでもっとも飲まれているビールといえば「メルツェン(オクトーバーフェスト)」。これはウィンナスタイル・ラガーの製法を基にした、いわば弟分といえるでしょう。ウィンナスタイル・ラガー自体は第一次世界大戦後、一度衰退してしまいます。しかし遠い海を越え、メキシコやアメリカで密かに愛され続けました。1980年代にはマイケル・ジャクソンが紹介したことで一大ブームとなり、世界中で再び注目を集めるようになりました。
アメリカで造られるラガーとは。
アメリカン・ラガー
アルコール度数 4.0~5.0%
ビールの色 ストロー(麦わら色)〜ゴールド
その名の通りアメリカ合衆国発祥のスタイル。炭酸ガスの含有量が多く、喉越しのよさが特徴。苦味も少なく、ほんのり甘くすっきりとした味わいでクセのない飲みやすいビール。
さっぱり飲める!ゴクゴク飲める!
アメリカンラガーは麦芽以外にも副原料としてコーンやお米を使用しているため、爽やかで軽い口当たりに。強い炭酸とすっきりした爽快感がたまらない、夏にゴクゴク飲みたいビールです。
まとめ
今回はラガー(下面発酵)で造られるビアスタイルを8つご紹介しました。今回ご紹介したのはごく一部のスタイルであり、日本でも馴染みがあるラガービールですが、こんなにも多くのラガービールのスタイルがあるのは皆さん知らなかったのではないでしょうか?さて次回は、スタイルに合わせた食事の選び方をご紹介いたします。是非お楽しみに。
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