「ブドウや食用菊、枝豆、イチゴミルクのビールなど、素材の味を生かした弥彦村や新潟県の魅力が詰まったビールを造っています」
女性に人気の美容効果のあるスーパーフードが副原料!?
茨城県結城市でたった一人で営んでいるブルワリー”結城麦酒”。マルベリーやトウモロコシなど、結城産の副原料を使うことにこだわりを持ち、全て手造りで醸造しているビールは格別です。「歴史ある結城市をもっと世の中に広めていきたい」という想いで2019年に醸造所をオープンした、結城麦酒のオーナ兼ブルワーの塚越さんにお話を聞いてきました。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部和田(以下、BANSHAKU和田)
好きなものはお酒とゴルフ。最近は毎日の晩酌を楽しくするために燻製作りに没頭中。ぬか床にもチャレンジしている。
結城麦酒オーナー兼ブルワー塚越さん(以下、結城麦酒 塚越さん)
結城市立結城中学校校長を定年退職、茨城県近代美術館勤務後、令和元年7月マイクロブルワリー『結城麦酒醸造』を創業。生活信条は「NO PLAY NO ERROR」。
地域貢献したいという想いでビール造りの世界へ
塚越さん本日はよろしくお願いいたします!まずは事業を起こそうと思ったきっかけを教えてくだい。
結城麦酒を始める前は、公立中学校の校長先生をしておりました。退職を目前にした時、周りの同僚は再雇用で教員として働くようになりましたが、今後の人生は自分のキャリアを生かして、結城市の歴史や特産品を広めていけるような事業をやっていきたいと思っておりました。
どのような特産品や歴史があるのですか?
結城市は『結城紬(ヨミ:ユウキツムギ)』が有名でユネスコ無形文化遺産に登録されるくらい歴史ある街なので、どうにか結城市を広められないかと昔から考えておりました。
ユネスコ無形文化遺産に登録されているとはすごいです!結城市は結城紬が有名なことも知りませんでした。
学校を退職後、茨城県の美術館から再雇用の話があり5年契約で働くようになりました。ただ、5年後に65歳になった時「新たに事業を起こすのは大変なのではないか」と思い、美術館で働きながら栃木マイクロブルワリーさんでビール造りの修行をいたしました。
ビール造りをしていきたいと思ったのはどのようなきっかけがあったのですか?
ビール造りを始めようと思ったきっかけは、昔からお酒が好きで結城市には有名な日本酒はあるのですがクラフトビールはなく、「クラフトビールを通して結城市の名前を広げて地域貢献をしていきたい」と思ったのがきっかけです。去年の7月からブルワリーをオープンいたしました。
そのようなきっかけがあったのですね!これまで何種類のビールを造ってきたのですか?
現在は13種類のビールを造っており、そのほとんどが結城市の特産品を使ったビールになります。息子が結城市で飲食店を経営しており、そのお店でもビールを提供しております。
地元の特産品を使ったおすすめビールのご紹介
ありがとうございます。次に結城市の特産品を使った、おすすめの商品を教えてください。
まずは『ゆうきみらいエール』という商品になります。みらいエールは結城産のトウモロコシ『味来』(ヨミ:ミライ)という品種を使用したビールになります。結城の未来をエールするという意味とトウモロコシの味来から名付けたビールです。
味わいとしては、トウモロコシを備長炭で焼き上げて入れているので香ばしさはもちろん、甘味も感じられスタウト系のビールになります。
トウモロコシを焼いて入れているビールは初めて知りました!
『ゆうきスタイルIPA』という商品もおすすめです。当店で一番人気のビールになります。地元産の桃を使っており、ほかの麦酒に比べて2から3倍のホップを使用したIPAです。イベントなどでもすぐに完売してしまうビールです。
味わいとしては、「ガツンとした苦味とキレ」を目指して造っておりますが、副原料に地元の桃を使用しているので桃の香りも感じられるビール好きの方はもちろんクラフトビールを初めて飲まれる方にもとても飲みやすいIPAに仕上がっていると思います。
僕もIPAが好きなので桃を使ったIPAはとても興味があります!
また『つむぎエール』という商品がございまして、こちらは今話題のスーパーフードのマルベリーを使用したビールになります。先ほどもお伝えしたように、昔から結城市は蚕の繭から紡いだ「結城紬」が有名で、かつてこの辺りでは、餌となる桑の栽培が盛んにおこなわれていました。
その実であるマルベリーを仕込んだビールになりますので、結城産のビールに相応しい商品だと思います。味わいとしてはマルベリーを使用しているので一般的なベリーよりも少しクセのある味わいが特徴的です。
桑の実は「美容効果にとても良いスーパーフード」と言われておりますので特に女性の方にはおすすめですね。
美容効果のある食材だと女性の方には魅力的ですね!ありがとうございます。ほかにもおすすめの商品はございますか。
定番でおすすめしたいビールは、『プレミアム ( L.B. )』という商品になります。こちらのビールはIPAを造る際の工程で大麦ではなく間違って小麦を入れてしまって誕生した、オリジナルレシピのビールになります。
IPA特有の苦味もありながらヴァイツェンのようなフルーティーな香りもするビールになっております。
塚越さんおすすめのフードペアリングとビールに込められた想い。
レシピを間違えてできたオリジナルのビールというのは驚きですね。ご紹介いただいた4種類のビールにおすすめのフードペアリングはありますか。
ゆうきみらいエールとつむぎエールは、チーズやナッツとの相性がいいですね。ゆっくり結城市のことを想像しながら、造り手の想いを感じて欲しいと思っております。
ビールを飲むことがきっかけで、結城市のことを好きになってもらいたいなと思ってもらえるように日々の醸造に取り組んでおります。
とても素敵な想いが込められてたのですねもう2種類のペアリングも教えてください。
ゆうきスタイルIPAとプレミアム ( L.B. )はお肉料理との相性が非常に良いですね。焼肉などこれからの季節にぴったりのビールになっております。
これからの暑い日にぴったりのビールですね!ありがとうございます。
”結城麦酒”のこれからの挑戦。
最後に、今後チャレンジしていきたい目標などはありますか。
今は年間でおおよそ1万リットル醸造しておりますが、ほとんどを私一人で作業をしております。これからはもっと醸造できるように第二工場を造ったり、従業員も増やしていきたいと思っております。
また地域貢献を目指して行っておりますので、障害者の方が働けるような雇用の場をつくっていきたいと思っております。結城麦酒を通して、結城市を知ってもらうきっかけになり結城市に行ってみたいと思ってもらえるよう、今後も取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございます。地域貢献や雇用の場を提供していくというのは素晴らしい取り組みだと思いました。本日はありがとうございました。
Director’s Voice
結城麦酒で造られるビールは醸造所に併設した息子さんが経営しているオリエンタルダイニング「LOTUS」で楽しむこともでき、オンラインショップからの購入も可能でございます。今回の取材でスーパーフードを副原料としたクラフトビールを初めて知って、私自身も結城市の魅力に魅了させれました。今夏の仕込み以降、主原料の大麦も結城産の大麦が使われるということで、塚越さんの想い、結城市の魅力がたくさん詰まったビールをこの機会にいただいてみてはいかがでしょうか。
Junki Tada
結城麦酒について
ブルワリー名 | 結城麦酒醸造所 |
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住所 | 茨城県結城市中央町1丁目7番地1 |
TEL | 090-1812-4510 |
オンラインショップ | https://yukibrewery.com/ |
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