【関西編】地域別おすすめ、クラフトビール職人インタビューまとめ(随時更新)
世界40ヵ国以上で愛されているジャパニーズクラフトビール!
茨城県那珂市にある、創業197年を誇る老舗酒蔵”木内酒造”が手掛ける「常陸野ネストビール」。地ビールブームから現在まで、国内の小規模醸造所としてクラフトビール業界を牽引し、現在では日本だけではなく世界40ヵ国以上でファンから愛されるビール造りをされています。先人が培ってきた日本酒の製造を生かした木内酒造のビール造りについて、ブルワーの松浦さんにお話を聞いてきました。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部和田(以下、BANSHAKU和田)
好きなものはお酒とゴルフ。最近は毎日の晩酌を楽しくするために燻製作りに没頭中。ぬか床にもチャレンジしています。
木内酒造 松浦さん
神奈川県出身。都内の専門学校で3年間醸造について学ぶ中、常陸野ネストビールに出会い、茨城県に移住し木内酒造額田醸造所に勤務する。
ビールを造ったきっかけは、茨城産のビール麦。
本日はよろしくお願いいたします!早速ではありますが、木内酒造さんは日本酒の老舗酒蔵かと思います。まずはクラフトビールを造ろうと思ったきっかけを教えてください。
弊社は日本酒を製造する酒蔵からスタートしていますが、酒蔵が立地している茨城県はかつてビール麦の産地でもあったという背景があります。1995年に地ビールブームに先駆け、木内酒造の日本酒製造の技術を生かしてビール造りを始め、1996年から販売を開始いたしました。
既に四半世紀もクラフトビールを造っていらっしゃるのですね。茨城県がビール麦の産地だということも初めて知りました。
「日本らしさとビール文化を広めていきたい」という想いがあり、茨城県の素晴らしい文化や名産をもっと世界に発信していけるように日々取り組んでおります。弊社では一部ビール麦の栽培も茨城県内の農家さんに委託しているいるんです。
ビールの原料となる麦も栽培しているのはすごいですね!
茨城県は水の品質がとてもよく、日本酒の酒蔵が関東で最も多いと言われております。そのくらい品質がいい水を使ったビールなので自信を持っていますよ。
国内屈指のクラフトビール醸造所。
松浦さんがビールの造り手となった背景を教えてください。
現在ブルワーとしては7年目になりまして、昔からクラフトビールが好きでよく飲んでいたのですが、私がクラフトビールを飲み始めた当時は、現在のようにたくさんのクラフトビールはありませんでした。そんなときに常陸野ネストビールを飲む機会があり、オリジナルティーが溢れるビールだと感じたのです。
常陸野ネストビールのどのようなところがオリジナルティー溢れると感じたのですか?
常陸野ネストビールの日本酒の製造を生かした特別な製造や、茨城県で採れる作物をビール造りに活用しているところです。常陸ネストビールにどんどんと惹かれていき、木内酒造でクラフトビールを造っていきたいと思うようになりました。私と同様に「お酒を造りたい」と夢を追いかけて木内酒造に修行に来られる方はとても多いですね。
そのようなきっかけがあったのですね。ありがとうございます。木内酒造さんではどれくらいの量を醸造されているのですか?
年間で2,000キロリットルを超えるビールを醸造しております。期間限定品や他のブルワリーさんと一緒に共同で造っているビールもあります。醸造量が多く毎回間違えないようにプレッシャーを感じることもございますが、同時にやりがいを持って日々の醸造に取り組んでおります。
これだけの量を日々醸造されているのはとても大変だと思います。松浦さんがビール造りを続けてきて最も魅力を感じるポイントはどのようなことでしょうか。
お客様が「美味しい」と言っていただける瞬間です。SNSで「美味しかった」と評価していただいたり、自分の造ったビールでお客様が笑顔でビールを飲んでいる姿を見ると「自分のやりたいことはやっぱりこれだ」と思います。7年間も続けられている一番の理由ですね。
常陸野ネストビールのおすすめビールとは。
とても素敵ですね!ほっこりしました。木内酒造さんではどれくらいの種類のビールを造っているのですか。
弊社では様々なスタイルのビールを造っており、今では定番商品が16種類あり、バラエティー豊かなラインナップになっております。
定番の種類がとても多いですね。夏に向けておすすめの商品を教えてください。
『だいだいエール』というIPAのスタイルのビールがおすすめです。茨城県産の『福来みかん』という爽やかで香り高いみかんを使用しており、麦の旨味とみかんのフルーティな香りとのバランスがとても良いビールに仕上がっております。
みかんを使ったIPAは夏に合いそうですね。
もう一つおすすめのビールがございまして、それが『ゆずラガー』です。日本産の柚子をふんだんに使用しているビールになります。繊細で奥深いシトラスの華やかな香りと柚子由来の爽やかな酸味、ラガーのキレを楽しんでいただけるビールですね。欧米向けに開発され主に海外向けに販売している商品なのですが、国内でも直営店かオンラインショップから購入が可能です。
ご紹介いただいたビールと相性のいい、おすすめの食事を教えてください。
だいだいエールはさっぱりとした味わいがあるので、料理を引き立たせることができます。焼き鳥など醤油ベースの料理との相性が抜群ですね。
ゆずラガーに関しては、味わいとして主張が強いので、食前や食後にビール単体で飲んでもらうのがおすすめですが、お肉料理との相性はいいと思いますよ。
最後に木内酒造さんが今後チャレンジしていきたいことはございますか。
ビール業界は毎年のように流行りのスタイルのビールが誕生する傾向がございますが、弊社は流行りのスタイルビールの醸造と並行して洗練されたオリジナルティーのあるビールを世界に発信していきたいと思っております。今後、まだクラフトビールを飲んだことがない方がクラフトビールを知るきっかけになれればいいなと思います。
Director’s Voice
木内酒造で造られる常陸野ネストビールは直営店はもちろんオンラインショップでも購入が可能です。またレストランも多数展開しているので、季節限定品の樽詰ビールもレストランで楽しむことができるそうです。最近ではウイスキーやクラフトジンなどの蒸留酒にもチャレンジしており、世界を目指している木内酒造のこれからの動向に目が離せないですね。
Junki Tada
木内酒造について
会社名 | 木内酒造合資会社 |
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住所 | 〒311-0133 茨城県那珂市鴻巣1257 |
クラフトビールブランド名 | 常陸野ネストビール |
醸造所住所 | 〒311-0107 茨城県那珂市額田南郷字高岡2182 |
ホームページ | http://kodawari.cc/ |
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