反射炉ビヤ / 静岡県

「伝統と革新を両立しながらビールを造り続ける意思を反射炉ビヤという名に表現をしております」

「伝統と革新を両立しながらビールを造り続ける意思を反射炉ビヤという名に表現をしております」

静岡県伊豆の国市にあるブルワリー”反射炉ビヤ”。江戸時代末期に江川太郎左衛門英龍氏が発案して建設された韮山反射炉を訪れる観光客に「美味しいビールを提供して多くの方々にさらに喜んでほしい」という想いで醸造を開始され今年で創業24年目を迎えます。本日は反射炉ビヤのヘッドブルワーである山田さんにどのようなビールを造られているかなど、お話を伺いました。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部和田(以下、BANSHAKU和田)
酒とゴルフが好きな元酒屋。最近は毎日の晩酌を楽しくするために燻製作りに没頭中。”ヌカゾウ”と名付けたぬか漬け作りにもチャレンジしている。

反射炉ビヤ 山田さん
1992年生まれ。山梨大学のワイン学科で醸造を学び卒業後に静岡県の反射炉ビヤにてビールづくりを行う。ペティアンナチュレルワインのようなビールをつくることが夢。

  1. 地ビールブームから誕生した反射炉ビヤ
  2. ”反射炉ビヤ”という名前に込められたビール造りへのこだわりとは
  3. 山田さんが教えてくれたビールと食事のペアリング

地ビールブームから誕生した反射炉ビヤ

本日はよろしくお願いいたします!まずはクラフトビール事業を起こされたきっかけを教えてください。

弊社は静岡県伊豆の国市にブルワリーを構えており、今年で創業24年目を迎えます。伊豆の国市は昔から韮山反射炉が観光名所として有名です。韮山反射炉というのは江戸時代末期、伊豆韮山で代官を務めた江川太郎左衛門英龍が発案した、金属を溶かし大砲などを鋳造するための溶解炉で世界遺産にも登録されています。

1995年の地ビールブームをきっかけに、美味しいビールを提供して韮山反射炉に訪れる多くの方々にさらに喜んでほしいという想いを込めて創立されたのが反射炉ビヤになります。

▶︎醸造所の外観の様子

クラフトビールを造りはじめて24年目を迎えるのはすごいです。山田さんがビールの造り手となったきっかけはどのようなことですか。

私はお酒が大好きな両親の間で生まれ育ち、幼いときからお酒に興味がありました。将来はお酒関係の仕事をしたいと思い、お酒の中でも特に興味のあったワイン醸造について学べる大学に進学しました。

僕の両親もお酒が大好きだったのでとても気持ちがわかります。

ワイン醸造を勉強していくうちに、ワインの栽培にも興味が湧いてきて農業の仕事も手伝うようになりました。農作業は朝から夜まで働くような、とても重労働で大変な仕事でした。

その大変な仕事を終えたあとに飲む一杯目のビールに今まで味わったことのないような美味しさを感じていたのです。そのときに飲んだビールが忘れられず、ビールに魅了されたのがきっかけで、ビール醸造家を目指して反射炉ビヤに就職しました。

▶︎ヘッドブルワー山田さん

”反射炉ビヤ”という名前に込められたビール造りへのこだわりとは

仕事終わりに飲むビールは特別な美味しさがありますよね。反射炉ビヤさんのクラフトビールを造る際のコンセプトはございますか。

弊社は”ビール造りの伝統と革新”というコンセプトのもと日々の醸造に取り組んでおります。未来を見据えて新しいものを取り入れた江川太郎左衛門英龍氏に敬意を込め、伝統と革新を両立しながらビールを造り続ける意思を”反射炉ビヤ”という名に表現をしております。

私が学んでいたワイン醸造の技術を取り入れたビールなども販売しており、伝統の技術は守りつつ新しいクラフトビール造りにも挑戦しております。

▶︎醸造所内の様子

ワイン醸造の知識も生かされたビールというのはまさに伝統と革命のビールだと感じました。おすすめのビールを教えてください。

反射炉ビヤでは定番の商品が3種類あり、全て昔の偉人から名付けた商品名で昔の伝統を守ったビールになります。

また季節限定品として年間40種類程のビールを造っており、新しい技術などを取り入れたビールを季節ごとに販売しております。今回はその中から2つおすすめのビールをご紹介したいと思います。

季節限定品を年間40種類も造されているのですね。とても多くて驚きました。

まずは定番商品の”早雲”というアメリカンペールエールです。こちらは一介の素浪人から伊豆・相模全域を領有する戦国大名となった下克上の代名詞でもある”北条早雲”から名付けたビールです。

米国産のホップに由来する柑橘系のフルーティーな風味を持ち、爽やかな心地よい苦味が特徴的でクラフトビール初心者の方でもとても飲みやすいビールですね。

下克上のビール、早雲ですね。公式サイトにはアルコール度数は5.0%と書いてありますね。飲みやすそうです!

▶︎早雲

もう一つは、季節限定品からコーヒー豆を使った”ピルスナー珈麦”というコーヒーピルスナーです。こちらは地元静岡県三島市を拠点に活動する、FERRET COFFEEの焙煎家川平和秀氏がこだわり抜いて焙煎したコーヒー豆とコラボレーションしたコーヒービールになります。

コーヒービールと聞くと黒やブラウンといった色合いを想像されるかと思いますが、川平氏がこだわり抜いて焙煎したコーヒー豆を使用することにより、ピルスナー特有の黄金色をしているビールを造ることができました。キレがありゴクゴク飲めるのはもちろん、コーヒー感もしっかり感じることができます。

▶︎ピルスナー珈麦

山田さんが教えてくれたビールと食事のペアリング

今ご紹介していただいたビールにおすすめの食事を教えていただけますか。

”早雲”は白ソーセージや鶏肉のソテーなど、お肉系の料理との相性がいいですね。ソーセージはコンビニやスーパーでも購入可能な一般的なソーセージでももちろん大丈夫です。

”ピルスナー珈麦”は休日の朝食と合わせるのが最高だと思います。モーニングトーストセットなど一緒に味わってもらって休日の朝から楽しんでもらいたいですね。

休日の朝からビールを楽しめるのは贅沢ですね!最後に、今後チャレンジしていきたいことはございますか。

ビールの素晴らしいところは多様性があることだと思っております。他のお酒にはできないけどビールだからこそできる、様々なコラボレーションビールをこれからも造っていきたいです。

Director’s Voice

反射炉ビヤさんで造られるビールは全国各地のビール専門店などでも飲むことができ、公式のオンラインショップからも購入可能です。今回あまり紹介することはできなかったのですが、反射炉ビヤさんではたくさんのコラボレーションビールを造っており、気になる方は公式WEBサイトからもビールの最新情報をご覧いただければと思います。

Junki Tada

反射炉ビヤについて

ブルワリー名反射炉ビヤ
住所〒410-2113
静岡県伊豆の国市中 272-1
TEL055-949-1208
公式サイトhttps://kuraya-narusawa.co.jp/brewing/

反射炉ビヤビールが買えるオンラインストアはこちら

職人インタビュー 2020.06.18
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