京都蒸溜所 / 京都府

「原料からこだわりぬき、独自の製法で日本らしさを表現した唯一無二のクラフトジンです」

「原料からこだわりぬき、独自の製法で日本らしさを表現した唯一無二のクラフトジンです」

昨今クラフトビールに続きブームとなっているクラフトジン。その中で京都府に日本初となるクラフトジンに特化した”京都蒸溜所”をご存知でしょうか。日本らしさを表現できるボタニカルや酒造りには欠かせない良質な水がある京都を選び、独自の製法で造りあげるクラフトジンは唯一無二です。2015年に設立した”京都蒸溜所”こだわりのクラフトジン製造方法などについて、製造担当のマリ・ネルソンさんにお話を聞いてきました。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。

京都蒸溜所 マリ・ネルソンさん
イギリス出身。ロンドンのUCL大学(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)で有機合成化学を学び、京都には2017年に移住。京都蒸溜所ではディスティラー(蒸溜担当)として様々な商品開発に携わっています。趣味は登山、音楽、絵。

  1. 京都から世界へ!京都蒸溜所が京都でクラフトジンを造った理由
  2. マリさんとクラフトジンの出会い
  3. こだわりぬいたボタニカルと独自の製法で造りあげる京都蒸溜所のクラフトジンとは
  4. おすすめの飲み方

京都から世界へ!”京都蒸溜所”が京都でクラフトジンを造った理由

本日はよろしくお願いいたします!まずは会社を立ち上げられた経緯を教えてください。

弊社は京都府にあるクラフトジンに特化した蒸溜所になります。もともと創業者3名(イギリス人2名、日本人1名)は日本のウィスキーの輸出に携わっておりましたが、日本のウィスキーの減少に伴い新たなる事業を模索しておりました。

2009年頃からイギリスではクラフトジンが人気を博しており、日本でクラフトジンの認知を高めるため2015年に京都に蒸溜所を設立いたしました。2016年には京都市で初となるスピリッツの製造免許を取得し、同年10月に”季の美 京都ドライジン”を発売しております。2020年現在では世界20ヶ国に輸出できるようになりました。

世界20ヵ国に輸出しているとは驚きました。京都府を選んだ理由はありますか。

京都府は日本の素晴らしい文化やお酒造りの要となる良質な水、日本らしさを表現するボタニカルが多く生産されているのが主な理由です。

▶︎製造担当のマリ・ネルソンさん

マリさんとクラフトジンの出会い

確かに京都は昔からの日本の素晴らし文化がありますよね。マリさんがクラフトジンを造るきっかけとなった経緯はどのようなものですか。

私はイギリス人と日本人のハーフで、大学までイギリスに住んでいました。その後、母の勧めで日本の大学に進学して東京に引っ越してきました。東京の大学で出会った友人の両親が”京都蒸溜所”で働いているのをきっかけに紹介してもらい働くようになったのです。

友人の方がきっかけだったのですね。

イギリスは”パブ”というお酒を飲む文化が根付いており私も大学生のときからお酒をよく飲んでいました。当時はクラフトビールはよく飲んでいたのですがクラフトジンに対しては全く知識もなく「自分にお酒が造れるのか」と不安でした。

しかし次第に日本のウイスキーやスピリッツにも興味が湧いてきて、今ではテイスティングで味わいや香りの違いもわかってくるようになりました。どんな仕事をしていくか悩んでいたときに、今の仕事に出会えて自分の好きなことができる、夢のような仕事だと思っています。

天職に出会えたということですね。実際にマリさんがレシピを考えて造った商品もあるのですか。

▶︎蒸留所内の様子

こだわりぬいたボタニカルと独自の製法で造りあげる京都蒸溜所のクラフトジンとは

レシピに関しては、ヘッドディスティラーのアレックスが考えていますが、新しい商品を造る際は私たちの意見も取り入れてアジャストメントしてみんなで造っています。

みなさんの想いが詰まったクラフトジンになっているのですね。おすすめのクラフトジンを教えてください。

まず一つ目は”季の美 京都ドライジン”になります。お米からつくるライススピリッツをベースにボタニカルは京都産の玉露や柚子、檜や山椒、水などを使用し一つ一つの原料にとてもこだわっております。

通常、ジンは全てのボタニカルをまとめて蒸溜しますが、”季の美”の製法は非常に独特です。11種のボタニカルを特性に応じての6つのグループに分類し、別々に蒸溜した後にブレンドします。

なので別々に蒸溜することによってそれぞれの美味しい部分だけを抽出して素材の味を最大限に生かし絶妙な調和をおこないます。これが京都蒸溜所の”雅”という製法でこだわり抜いたクラフトジンになっています。

▶︎季の美 京都ドライジン

独自の製法で造っているとは驚きました。

次は、”季のTEA 京都ドライジン”になります。京都宇治市にある明治12年創業の老舗茶舗”堀井七茗園”とのコラボレーションで生まれたクラフトジンです。

季のTEAのためだけに奥の山茶園で栽培した玉露と碾茶(てんちゃ)を特別な配合でブレンドしており、良質なお茶の深い香りと旨みをじっくりと引き出し蒸溜したクラフトジンになります。

香りはお茶の深い香りとキンモクセイのフルーティーな香り、味わいはホワイトチョコレートとシトラスの後にジュニパーが感じられ、最後に温かい緑茶が長く広く続きます。

▶︎季のTEA 京都ドライジン

おすすめの飲み方

お茶を特別に配合したりと、ボタニカルからとてもこだわっていらっしゃるのですね。2つのおすすめの飲み方はありますか。

おすすめの飲み方は、ロックか炭酸割りです。ジン本来の香りと味わいを存分に楽しんでいただけると思います。ジンはゆっくりと香りを楽しみながら飲んでもらいたいので、ご飯と一緒というよりかは軽食と飲むのがおすすめです。個人的にスモークサーモンとジンの相性が好きですね。

Director’s Voice

京都蒸溜所では現在公式サイトから京都蒸溜所バーチャルツアーを実施しています。京都蒸溜所の内部を隅々まで見ることができ、「すべての工程に人の手が加わる本物のジンを見てほしい」とマリさんはお話されておりました。日本初となるジン専門の京都蒸溜所のジンをぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。

Junki Tada

京都蒸溜所について

蒸留所名京都蒸溜所
公式サイトhttps://kyotodistillery.jp/
職人インタビュー 2020.07.09
トップページ > すべての記事 > 職人インタビュー > 「原料からこだわりぬき、独自の製法で日本らしさを表現した唯一無二のクラフトジンです」

\この記事をシェア/

interview職人インタビュー

columnコラム

reviewレビュー

BANSHAKUは株式会社threefeetが運営しております。

お仕事のご依頼、メディアへの出演依頼などはお問い合わせフォームからお願いいたします。

お問い合わせフォームへ