麦麹を使ったクラフトビール!?
「ビール醸造は土づくりをコンセプトに、できるだけ自分の手で栽培した麦やホップを使ってビール造りを行っております」
長野県伊那市にブルワリーを構える”PECCARY BEER”。オーナーの林さんはニュージーランドに旅行にいった際にビールの多様性に触れたのをきっかけにビールの魅力に引き込まれていかれます。「ビール醸造は土づくり」をコンセプトにオーガニックの原料や南アルプスの美味しい水で造られるビールは格別。有機農家とブルワーの二足の草鞋を履く、PECCARY BEER 林さんにビール造りのきっかけやおすすめのビールなどについてお伺いしてきました。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。
PECCARY BEER 林さん
人生を味わうために生まれてきた。美味しいものには目がない。その結果、ORGANIC FARM88を開園。そして最高のビールを作りたいと想い、お客様がテーブルで過ごす時間を、ビールと野菜が美味しく豊かにしてくれることを願っている。
家族旅行がきっかけでビール造りの世界へ
本日はよろしくお願いいたします!まずはビールを造っていくことになった経緯を教えてください。
弊社は長野県で有機農家”ORGANIC FARM 88”という農園を経営しております。ビール造りをはじめようと思ったのは、7年ほど前に家族とニュージランドに旅行にいったときのことがきっかけです。
ビールを飲みたいと思い訪れた地元のスーパーで、棚一面にあるビールの種類の数に驚きました。何を飲んでいいか分からず、適当に買ったビールがとても美味しくてビールの多様性に驚いたのが思い出となっています。
日本に帰国後ビールを買いにスーパーに訪れた際、大手メーカーさんのビールしか並んでおらず同じようなビールばかりで悩んでしまった経験がありました。そのときにニュージランドで経験した「選ぶ楽しさ」を思いだし、クラフトビールに興味を持つようになってビールについて勉強を始めました。
ニュージーランドに旅行に行ったことが起点だったのですね。その後のお話もお伺いしたいです。
私の住んでいる長野県は昔からビールの原料であるホップや麦の産地でもあり、南アルプスの美味しい水が流れています。その資源を生かして自分でもビールを造りたいと思いました。
島根県の”石見麦酒”さん、”栃木マイクロブルワリー”さんや”南信州ビール”さんで研修を受けて、2018年に”PECCARY BEER”を立ち上げ醸造をスタートさせました。
有機農家とブルワーの二足の草鞋を履くこだわりのビールとは
ビール造りに適した環境ですね。ビールを造る際のこだわりやコンセプトはございますか。
弊社は有機栽培の農業も運営しておりますので「ビール醸造は土づくり」をコンセプトに、できるだけ自分の手で栽培した麦やホップを使ってビール造りを行っております。
オーガニックの麦と地元の美味しい南アルプスの水を原料に使っていることが弊社のビールの強みだと思っております。
ビール醸造は原料の栽培から始まっているということを実感しました。PECCARY BEERさんおすすめの商品を教えてください。
現在、定番商品は4種類ありその中からおすすめのビールをご紹介したいと思います。
まず1つ目は、”ジェレミー・インペリアルスタウト”という商品です。こちらはラベルに弊社の名前でもある中米に住む野生のブタ、PECCARY(ペッカリー)がデザインされているビールになります。
ボランティアでお世話になったフランス人のジェレミーさんにいただいた生姜を使った粉チョコレートがとても美味しく、そのときの思い出をイメージして造ったビールです。
チョコレートの上品な香りと酸味に生姜を加え、濃厚でコクのあるテイストになっており、大人らしい時間を楽しんでいただけるインペリアルスタウトに仕上がっています。
PECCARYのイラストがとてもかわいらしいですね。
2つ目は、”オハヨー・ホワイト・エール”という商品です。毎月最終日曜日に伊那谷の商店街で地元の有機野菜を使って朝ごはんを食べる”オーガニックマルシェ”というイベントを開催しており、そのイベントとコラボして造ったビールです。ラベルのニワトリもオーガニックマルシェのマークになっています。
「日曜日の朝から優雅な時間を過ごしてほしい」という想いで「朝から飲めるビール」をコンセプトに、伊那谷産無農薬栽培の小麦とオレンジピールやコリアンダーの風味がかすかに泡の中にはじけて料理を引き立て、香り爽やかなホワイトエールに仕上がっています。ビールが苦手な方でも飲みやすく、もちろん夜に飲んでいただくのもおすすめです。
林さんが教えてくれた地元の食材を使ったフードペアリングのご紹介
そのコンセプトがあって、”オハヨー”とネーミングされているのですね。朝から飲めるビールはとても魅力的です。ご紹介していただいたビールに合わせるおすすめのフードペアリングはございますか。
ジェレミー・インペリアルスタウトはオンラインショップで販売している、長野県産の鹿肉を使ったジビエのソーセージセットがおすすめです。ジビエのクセのある味わいとインペリアルスタウトの相性が抜群でとても美味しいですよ。
オハヨー・ホワイト・エールは同じくオンラインショップで販売しているスモークチキンのセットがおすすめです。スモークとホワイトエールの相性がとてもよく、ぜひ試してみてほしいですね。
あとこれからの季節にバーベキューと一緒に楽しんでいただくのもおすすめですね。
どちらも長野の魅力を一度に味わえるセットになっているのですね。最後に、今後チャレンジしていきたいことはございますか。
弊社の名前でもある”PECCARY”は”森に道をつくるもの”という意味も込められています。新しいことや伝統的なことにも挑戦しトレンドに流されず、自分たちらしい他では造っていないようなビール造りに挑んでおります。
今後は今流行っているアメリカやイギリスのスタイルのビールではなく、ジャパニーズスタイルのビールを世界に確立していけるように取り組んでいきたいと思っております。
Director’s Voice
PECCARY BEER で造られるビールはオンラインショップからの購入が可能です。地元の食材を使った料理とビールが一緒になった”おうちで伊那谷ガストロノミー セット”は長野の魅力を一度に味わうことができてまさに晩酌に最適ではないかと思います。オーガニックの原料にこだわる林さんの想いが詰まったビールを試してみてはいかがでしょうか。
Junki Tada
PECCARY BEER について
ブルワリー名 | PECCARY BEER |
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住所 | 長野県伊那市高遠町藤澤3276番地3 |
TEL | 0265-96-2280 |
ホームページ | http://peccarybeer.com/ |
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