「ビール醸造は土づくりをコンセプトに、できるだけ自分の手で栽培した麦やホップを使ってビール造りを行っております」
「豆乳とビール酵母で作ったパンとビールの相性が抜群ですね」
福島県西白河郡西郷村にある”ハイランドポートブルワリー”をご存知でしょうか。こちらでは地元の特産品を使ったクラフトビールはもちろんのこと、自家製パンで造ったサンドウィッチは絶品です。今回は2018年に”ハイランドポートブルワリー”を立ち上げられた大谷さんにお話をお伺いしました。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。
ハイランドポートブルワリー 大谷さん
自宅にブルワリーをつくり多様なビールの世界を楽しむ。気象予報士として、天気を気にしながらホップなどの野菜も栽培。
ハイランドポートブルワリーが生まれた理由
本日はよろしくお願いいたします!まずは、クラフトビールを造るきっかけとなった背景を教えてください。
弊社は福島県西郷村で”カフェ お家パン オブ”という、自然素材を使ったドイツパンを提供するカフェを夫婦で営んでおります。
まずクラフトビールに興味を持ったのは、会社員のときに出張でアメリカのポートランドへ行き、アメリカにはたくさんのブルワリーがあることなど、ビール文化に触れたことがきっかけです。もともと私自身ビールが好きだったということもあり、クラフトビールの魅力にどんどん魅かれていきました。
定年退職後ビール研究のため夫婦で1ヶ月ドイツのミュンヘンに滞在し、朝から晩まで様々なビールを飲み、ビールに合う食べ物を探究しました。
一方で、日本にはそのようなビール文化がなく、自分でビールを造っていきたいと思い、2018年に”ハイランドポートブルワリー”を立ち上げました。
私の妻は昔からパンを作るのが趣味で、”カフェ お家パン オブ”を始めたのですが、ビールもパンと同じ麦と酵母を使用しますので、ビールを造る際の酵母を使ったパンなども販売しています。
出張でアメリカに行かれたのがきっかけだったのですね。大谷さんにとって、クラフトビールの魅力はなんですか。
日本ではラガー系のビールが主流ですが、クラフトビールは様々なスタイルの種類があり多様性があることが魅力だと思います。
現在ではコロナウイルスの影響でビールイベントの開催が難しいですが、来年以降いろいろなイベントを開催して、今までクラフトビールを知らなかった方にもクラフトビールの魅力を知っていただけるきっかけになれればと思っています。
「山」と「地名」でわけられたビール名
クラフトビールの魅力は多様性ということでしたが、ハイランドポートブルワリーさんではどのようなスタイルのビールを造っていらっしゃるのですか。
依頼があれば様々なビールを造りますが、基本的には自分の飲みたいビールを造っております。現在は定番で6種類のビールがございますが、ブラッシュアップしながら醸造に取り組んでおります。
地元の特産品を使ったビールもお造りになっているとインターネットで拝見いたしました。
まだ少量ではございますがホップの自社栽培にも取り組んでおり、そちらのホップを使ったビールも造っております。
また、西郷村の特産品である”赤いルバーブ”という野菜があるのですが、ルバーブは通常、緑色をしているのですが西郷村は全国でも数少ない赤いルバーブを栽培しております。そちらを使用したビールも造っておりますね。
ルバーブという野菜は初めて知りました。とても気になります。
赤いルバーブの他にもおすすめの商品はございますか。
他には”三本槍岳IPA”という商品がオススメです。IPAはホップの種類やホップを使用する量によって無限の組み合わせがあります。ただ苦いだけではなく、フルーティーなホップをふんだんに使っておりますのでとても飲みやすいIPAですね。
IPAは今人気ですよね。
また、自社栽培したホップを使った”太平エール”というペールエールも人気です。こちらは”太平”という地名から名付けたビールで、ホップの濃厚な香りが特徴的になります。
弊社のビールは名前にもこだわっていて「山」がついている商品はホップをふんだんに使用し少し苦味があるビール、「地名」が名付けられている商品は苦味を抑えたビールということを覚えていただければと思います。
フードペアリングには豆乳とビール酵母で作ったパンがおすすめ
商品名を見れることで苦味のタイプが分かれるということですね。ビールに合うお食事はございますか。
地元の在来種の大豆から搾り取った、豆乳とビール酵母で作ったパンがあるのですが、どのビールとの相性も抜群でおすすめですね。
また、弊社で栽培している季節の野菜やハムなどをサンドウィッチにして自分の好みで楽しんでいただくのもおすすめです。
弊社は食材にこだわっておりできるだけ無添加素材を用いた食事の提供をしておりますので、天然酵母を使った自家製パンと地元の特産品を使ったビールを合わせて味わってほしいですね。
パンとビールが合うということですね。最後に、今後チャレンジしていきたいことはございますか。
明治時代に白河町で造られていたビールを再現したいと思い、当時のレシピで試行錯誤しながら造っています。
今後も地域の皆さんと一緒に協力しながら様々なビール造りにもチャレンジしていきたいと思っております。
Director’s Voice
これまでにもパンとビールのフードペアリングをおすすめされたことはありますが、豆乳とビール酵母で作るパンというのは初めてでした。現在はカフェをお休みされているということでしたが、再開されたときには現地でパンと合わせたビールを飲んでみたいものです。
Junki Tada
ハイランドブルワリーについて
ブルワリー名 | ハイランドポートブルワリー |
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住所 | 〒961-8061 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平131ー3 |
TEL | 0248-25-7461 |
ホームページ | http://www001.upp.so-net.ne.jp/ouchipanof/index.html |
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