わくわく手づくりファーム川北 / 石川県

「たくさんの危機を乗り越えてきたからこそ、今があるのではないでしょうか」

「たくさんの危機を乗り越えてきたからこそ、今があるのではないでしょうか」

石川県川北町にブルワリーを構える”わくわく手づくりファーム川北”。1994年の酒税法改正がきっかけで自社栽培されている麦を使ったビール醸造所を設立されました。

今回は川北町の新たな地場産業を生み出した、わくわく手づくりファーム川北 代表の入口さんにブルワリー設立の苦労話やこだわりのビールについてお話を聞いてきました。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。

わくわく手づくりファーム川北 入口さん
1952年生まれの68歳。先祖代々米農家で、自身もこよなく農業を愛し、15haの農地を一人で切り盛りしている。農業を継承していく為、六次産業としてビールの製造にチャレンジしてきた。『自然のめぐみのおすそわけ』をモットーにしている。

  1. 第1次地ビールブームをきっかけにわくわく手づくりファーム川北立ち上げ
  2. 健康にもいい、わくわく手づくりファーム川北のビールとは
  3. おすすめのフードペアリングのご紹介

第1次地ビールブームをきっかけにわくわく手づくりファーム川北立ち上げ

本日はよろしくお願いいたします!まずは会社を立ち上げられた経緯を教えてください。

弊社は主に農業をメインに運営している会社になります。以前は繊維関係の婦人服を企画して縫い上げる事業を脱サラして始めました。しかし私は長男だったので家業を継ぐために、21世紀に何か新しいことをしたいと模索しておりました。

そんなときに1994年の酒税法改正により地ビールが解禁になりました。当時から麦を栽培していたこともあり、その麦を使ってビールを造ることによって、川北町の基幹産業である”農業”とそれをアピールする”商業”の融合から、新しい地場産業を生み出そうと思いました。

1998年に”わくわく手づくりファーム川北”を地元の有志と立ち上げ、2000年に本格的に醸造とタップルームの運営を開始したのです。

▶︎取材受けていただいた、わくわく手づくりファーム川北 入口さん

酒税法改正ですぐにビールを造ろうと着手されたのですね。

川北町は小さな町であり人口も多い方ではなかったので、当時はなかなかビールの醸造免許が下りずとても苦労しました。

何度も役所に足を運び自分で栽培した麦を使ってビールを造っていくという熱意が伝えることで、なんとか免許を取得することができたのだと思っています。免許が下りたときはとても嬉しかったですね。

ただわくわく手づくりファーム川北を立ち上げて地ビールブームも去ってからは苦しい時期が続きました。当時なかなか売れ行きが思うようにいかず、経営していくのが難しくなってきておりました。

また麦を麦芽にする機械がなかったので大手ビールメーカーの関連会社に委託をしておりましたが、大手ビールメーカーも売り上げの減少により「これ以上は受託できない」と言われてしまいました。

「今後もう運営していくのは難しいのではないか」と思っていた矢先、県の助成金制度を見つけたのです。その助成金を使って麦芽にする機械の開発をしようと決め、国からの援助もあり3年ほどかけて機械を開発し現在まで運営することができました。

思えばたくさんの危機を乗り越えてきたからこそ、今があるのではないでしょうか。

▶︎たくさんの危機を乗り越えてきた、入口さん

健康にもいい、わくわく手づくりファーム川北のビールとは

自分で麦芽する機械を開発されたとは驚きました。たくさんの苦労があって今があるのですね。わくわく手づくりファーム川北さんではどのようなビールを造られているのですか。

弊社はおいしいだけではなく身体にもいいビールを目指して造っています。麦芽を自社で作ることにより、本来六条大麦が持っている『GABA』『βグルカン』『ポリフェノール』等の数値を高く残すよう心がけています。

「地元の原料をふんだんに使用したビール」をコンセプトに日々醸造しておりますので、そのなかから代表的なビールを紹介したいと思います。

まず1つ目は”金沢百万石ビール”という石川県産六条大麦をふんだんに使用したペールエールになります。ホップの苦みが心地よく、濃厚でありながらスッキリとした飲み口で麦の旨味を感じどんな食事にも合わせやすい味わいに仕上がっています。

▶︎金沢百万石ビールペールエール
▶︎金沢百万石ビールコシヒカリエール
▶︎金沢百万石ビールダークエール

わくわく手づくりファーム川北さんの代表的なビールになっているのですね。飲むものに迷ったら金沢百万石ビールを選べば間違いないですね。

2つ目は”グランアグリ 小麦のビール”という地元小松産小麦”ゆきちから”を使用したヴァイツェンになります。フルーティさとクリーミーな泡立ちが特徴的で、ヴァイツェン特有のエステル香が感じられるとても飲みやすい味わいに仕上がっています。

▶︎グランアグリ 小麦のビール

おすすめのフードペアリングのご紹介

今ご紹介していただいた2つのビールに合わせておすすめのフードペアリングがあれば教えてください。

金沢百万石ビールは唐揚げからお寿司まで幅広い料理との相性がいいです。私個人的には北陸地方は魚が有名なので、アクアパッツァや金沢の郷土料理である魚をぬかに漬け込んだ”こんか漬け”との相性がよくておすすめですね。

グランアグリ 小麦のビールは他社さんのヴァイツェンに比べてキレがあるので、さっぱりとした料理がおすすめですね。サンドウィッチや発酵系の料理との相性が抜群ですよ。

弊社のビールは新幹線での購入もできますのでぜひ新幹線に乗車中、軽食と一緒に合わせながら飲んでいただき旅の疲れを癒していただけたらと思います。

Director’s Voice

わくわく手づくりファーム川北さんで造られるビールはレストランでいただくことはもちろん、オンラインショップでも購入することが可能です。地元の原料をふんだんに使い、美味しいだけではなく健康にもいいわくわく手づくりファーム川北さんのビールをぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。

Junki Tada

わくわく手づくりファーム川北について

住所石川県能美郡川北町字橘新ロ49-1(醸造所)
TEL076-214-6464
ホームページhttps://wkwkfarm.com/
職人インタビュー 2020.08.22
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