造るビールはワールドクラス!コンテスト多数入賞のブルワリーとは?
京都人が造る、京都の地ビール
京都市上京区。静かな住宅街のなかに京都のマイクロブルワリー(クラフトビールの醸造所)としてビール造りをおこなう”ウッドミルブルワリー・京都”がある。ウッドミルという名前はブルワリーが所在する町名から由来しており、生み出されるビールは地元の方から根強く愛されている。
今回はウッドミルブルワリー・京都が誕生した経緯や、おすすめの商品について辻本さんにお聞きしてきた。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。
ウッドミルブルワリー・京都 辻本さん
京都生まれ京都育ち。代々受け継いだ職人気質でビール醸造に向き合っている。猫好きのアラフィフ。
ウッドミルブルワリー・京都誕生の経緯
まずはクラフトビールの醸造所を始められた経緯を教えてください。
私は京都生まれ京都育ちで、祖父の代から友禅染の仕事に家業として携わっていました。父親から引き継いで20年ほどやっていたのですが、事業としては厳しい状況になり、2011年に友禅染事業から撤退をしました。
残りの人生も生まれ育った京都で事業を営みたい、京都を明るく元気にしたいという想いがあり、大好きな地ビールを提供するビアカフェを立ち上げよう!と思い立ちました。
最初はビアカフェの立ち上げを考えていたのですね。続きをお聞かせください。
立ち上げに向けて準備をしていたとき、大阪府高槻市の”壽酒造”という清酒と地ビールを造っている地酒蔵で蔵人補助職を募集されていることを知りました。清酒造りを体験できることは貴重だと思い、地ビール造りにも関わらせていただきながら半年ほど勤めることになりました。
すると、その間に私がビアカフェの立ち上げを考えていた地域でビアパブができてしまいました。競合になってしまいますし、悩んだ末、壽酒造さんに『京都でマイクロブルワリーを立ち上げたい。修行のために雇ってください』と頼み込みました。結果、本格的に3年間清酒とビール造りに取り組ませていただきました。
話を戻すと、はじめはビアカフェの立ち上げを目指していたのですが、途中から造り手に転換して2018年3月にブルワリーを創業するに至りました。
”ウッドミルブルワリー”という名前に由来はありますか。
ブルワリーが所在する町内の名前が”挽木町(ひきぎちょう)”といいます。『挽く=ミル』で『木=ウッド』から”ウッドミル”と名付けました。
ミルは麦芽を粉砕するモルトミルに通じますし、ウッドは・・・いつか北山杉を使ったビールを造れればいいですね(笑)
京都の文化を意識したビールとは
続いてビールについてお聞きしたいです。
コンセプトは『食事と調和し、お互いが引き立てあうビール』です。定番商品4種類と、限定醸造ビールを毎月1種類のペースで造っています。
最初に紹介したいビールは”はっさくホワイト”です。弊社で一番人気のビールです。はっさくを丸ごと使用し、スタイルはベルジャンホワイトです。
爽やかさに加えて、はっさくの苦みを心地良く感じられます。白身魚のカルパッチョ、酢の物、野菜サラダなどと相性がいいビールです。
また、ベルジャンホワイトは私個人的に強い思い入れがあるスタイルです。鹿児島県の城山ブルワリーさんが特産の“こみかん”を使ったベルジャンホワイトを造っておられて、そのビールに出会ったことが、私が地ビールの世界にのめり込んだキッカケです。はっさくホワイトは、城山ブルワリー醸造長にレシピの監修を受けて造ったビールです。
次に紹介するビールは”ペールエール”です。麦芽由来の旨みとコクをしっかり味わってもらえるよう仕上げています。ガブガブ、プハーッ!と飲み干すのではなく、ゆっくり時間をかけて味わっていただきたいビールです。お肉料理全般、醤油を使った料理、個人的には鴨ロースとの相性が抜群だと思います。
ペールエールはイギリス発祥のスタイルで、弊社のペールエールはイギリス産のマリスオッター麦芽(高級麦芽ブランド)を使っています。最近はアメリカン系の香りや苦みがガツンと来るタイプのビールが流行りですが、一昔前の味わい系スタイルで懐かしさを感じながら、じっくりと味わっていだだければと思います。
また、ペールエールはウッドミルブルワリー・京都の初仕込みビールで副原料に私の醸造家としてのルーツである壽酒造さんの清酒を使っています。
最後にメッセージをお願いします。
京都には世界に誇れる様々な伝統文化が根付いています。神社仏閣、京料理、お茶、京和菓子などを楽しみに京都へ来られる方が多いと思います。京都の伝統文化との調和を意識して造っているウッドミルブルワリー・京都のビールを飲んでいただけると嬉しいです。
Director’s Voice
辻本さんが持っている京都への地元愛をたくさん感じた取材であった。タップルームはもちろん、オンラインショップでもこちらの商品を楽しむことは可能である。これからも京都を意識したビール造りから目が離せない。
Junki Tada
ウッドミルブルワリー・京都について
住所 | 〒602-0065 京都市上京区上立売通小川東入上る挽木町528番地 |
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TEL | 075-406-1463 |
公式サイト | https://woodmill-brewery.kyoto/ |
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