宮崎ひでじビール / 宮崎県

ビールコンテスト多数グランプリ受賞!宮崎ひでじビールとは?

ビールコンテスト多数グランプリ受賞!宮崎ひでじビールとは?

九州・宮崎のクラフトビール”宮崎ひでじビール”。数々のクラフトビールコンテストでグランプリを獲得されている、九州随一のブルワリーです。

今回はthreefeet Tokyoのお客様リクエストにより、宮崎ひでじビール工場長である、片伯部さんに宮崎ひでじビール誕生の歴史とおすすめのビールを聞いていきます。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。

宮崎ひでじビール 工場長 片伯部(カタカベ)さん 以下、宮崎ひでじビール 片伯部さん
1973年11月29日生まれ、宮崎県延岡市出身。2001年に、ひでじビールに入社。体を動かす事が大好きな47歳。

  1. お客さんの評価をバネに生まれ変わった”宮崎ひでじビール”
  2. 片伯部さんが造るビールとは?

お客さんの評価をバネに生まれ変わった”宮崎ひでじビール”

まずはこれまで、どのようにしてクラフトビール事業をおこなってきたのかを教えていただけますか。

ひでじビールの創業は1996年、全国でたくさんの地ビール醸造所が立ち上がった、日本のクラフトビールの創成期でした。当時は石油事業を母体とする会社のひとつの事業部で、観光事業の一環の事業でした。ただ、自然豊かな山の麓でビールを造っておりましたが交通が不便であったり、観光地として人を呼ぶのはなかなか厳しい状況、ボトルビールでの販売に注力し始めました。

▶︎取材を受けていただいた、宮崎ひでじビール 工場長 片伯部さん

続きが気になります。

販路拡大のため、東京でも営業活動をおこなっていましたが、当時は、地ビールを扱うお店も少なく、数少ない専門店に営業をしていました。そこで、お店に来ていたお客様から面と向かって言われた一言、

「ひでじビールは飲む前から悪い状態だよね~・・・」

自分たちのビールのリアルな評価を思い知らされ、痛感させられました。そこで、ビールの味にメスを入れるために、縁あってビール酵母の培養技術を持つ方を紹介してもらい、ビール醸造の基礎を一から学び、試行錯誤をしていったのです。

具体的にはどのようなことをされたのですか。

2006年に多額の設備投資をおこない、指導、改善、醸造後の日々の座学と一生懸命でした。ここまでしたからには「確実に成功しなければいけない」という覚悟で再始動しました。

▶︎醸造設備での仕込みの様子

再始動されてからどうなったのですか。

ビールを醸造する上で最も難しいビールが、“ピルスナースタイル”と言われており、ビールに派手な香りが無い分、悪い香りが直ぐにわかってしまいます。その最も醸造の難しいピルスナーで日本一を獲ると決めました。

そして、2009年に開催された“ジャパン・アジア・ビアカップ”、“インターナショナル・ビア・コンペティション”と、その年の日本最大のビアコンテストにて、“太陽のラガー”が金賞受賞、日本一を獲ることができたのです。ビール酵母の純粋培養・衛生管理により、それまでは今思えば重たくてキレの悪いビールでしたが、コクがありキレのあるビールに生まれ変わりました。

また、衛生管理もそれまで以上に気を配り、醸造タンクやビールの通り道を無菌状態にして醸造をおこなっております。日本はビールの本場欧州に比べると湿度が高く、空気中には雑菌だらけです。一例としては醸造にて使用したタンクは全てをバラして手でブラッシングをし、次にタンクの中を薬品につけるといった様々な工程でタンクを無菌状態にして、日本の気候に合わせて綺麗な状態で新たに仕込むような衛生管理を続けておりますね。

2010年には、当時の運営元の会社がビール事業部を撤退すると決めて、現在の代表取締役である永野時彦が2010年7月に独立をし”宮崎ひでじビール株式会社”に生まれ変わりました。

▶︎ビアコンテストの様子

片伯部さんが造るビールとは?

片伯部さんはどのようにして工場長になられたのですか。

私は入社してから19年目になり、もともとは営業で入社し、4年間ほど営業や配送をしていました。ビールの外販を中心に仕事をしていたのですが、当時の工場長が1人でビールを造っていて、ひでじビールを辞めることになったのです。

醸造経験のある方を探していましたが見つからず、私が醸造を担当するように社長に任命されました。ビール造りの知識もそれほど詳しくなく、当時の工場長は職人気質な方でなかなかビール造りを教えてもらえず、自分で覚えるしかない環境でビール造りに携わり1人で勉強しながら設備の使い方も覚えて、今に至ります。

大変だったのですね。ビールについてお聞きしたいのですが、おすすめのビールはどちらになりますか。

まずは1番自信を持って提供している、”太陽のラガー”です。”ジャーマンピルスナー”というスタイルで、お客様から大人気の商品になります。和食や洋食、中華、全てのジャンルに対応できる万能ビールで、揚げ物の油もスーっと流してくれます。香りがそれほど強くないので料理の邪魔をすることがないですね。

▶︎太陽のラガー

次に紹介したいのは”九州クラフト日向夏”という、宮崎の日向夏を使ったビールになります。九州産の麦や果物を使う、”九州クラフト”というシリーズ商品の目玉なのですが、柑橘系のビールとして全国でも大変好評をいただいています。すっきりしていることもあり太陽のラガーと一緒で、お食事と一緒に飲んで非常に相性がよいビールに仕上がっています。

今年の”Beer 1 グランプリ”というクラフトビール の大会では、九州クラフト日向夏がグランプリをいただきました。

▶︎九州クラフト日向夏

また、”栗黒”という商品もとても人気があります。2017年にイギリスで開催された、”ワールドビアアワード”というクラフトビールのコンテストではスタイル別、カテゴリ別のダブル受賞、グランプリを獲得することができました。アルコール度数は9%あり、濃厚なスタイルのビールなのでデザートビールのような商品になります。

食事の締めに、栗黒と濃厚なチーズやチョコレートなど甘いものと合わせるといいと思います。バニラアイスに栗黒を少しかけた、”栗黒アフォガード”もおすすめです。

▶︎栗黒

最後にメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

私たちひでじビールはこれから先も「お客様との距離が近いところで醸造をしていきたい」という想いがあります。地元の麦やホップなども使いながら、ビール醸造の基礎である、酵母の純粋培養や衛生管理もしっかり継続していき、いい環境を保ったままスタッフ一同心を込めてビールを造っていきます。今後も限定ビールを造ったり、ひでじビールを世に広めていくことにも力を入れて頑張っていきたいと思っています。

Director’s Voice

Director’s Voice

お客様にいただいた意見を真摯に受け止め、ビール造りに反映させる姿はまさに職人の鏡です。熱心にいいものを造りたいという想いが、コンテストグランプリの結果に繋がっているのだと感じました。今後も宮崎ひでじビールの動向からは目が離せません。

Junki Tada

宮崎ひでじビールについて

会社名宮崎ひでじビール株式会社
住所〒882-0077
宮崎県延岡市むかばき町747-58
TEL0982-39-0090
公式サイトhttps://hideji-beer.jp/
職人インタビュー 2020.11.11
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