地元の名前の頭文字から名付けたクラフトビールとは!?
ビール名に熊がついているクラフトビール⁉︎
秩父麦酒の樽生ビールを飲むことができるビアバル”まほろバル”。埼玉県秩父に密着したお店づくりをされていて、お店で提供されているビールは隣町の吉田町で醸造されていらっしゃいます。飲みやすいペールエールからクラフトビールマニア向けのバレルエイジされたビールまで、常時飲めるビールの種類は10種類。本日はまほろバルオーナー坪内さんにお話を聞いてきました。
会社員から独立をして大好きなクラフトビールの世界へ。
−まずは事業を起こそうと思ったきっかけを教えてください。
坪内さん
元々会社員の時からクラフトビールが好きで、いつか自分でクラフトビールを造りたいと思っておりました。自分の理想のクラフトビール造るため、勉強も兼ねて日本各地のクラフトビールを飲み歩いたんです。クラフトビールを造るにあたって、地域密着型でどのようなクラフトビールを造るのかを模索しながら、2015年に思い切って独立をし、2016年にまほろバルをオープン致しました。
−クラフトビールが好きになった理由はありますか。
坪内さん
成人してから、はじめは一般的なピルスナー系のビールを飲んでいたのですが、『銀河高原ビールさんのヴァイツェン』を飲んだ時に、「これまで飲んでいたビールと違う味のビールがあるんだ」と衝撃を受けました。
40歳の節目の時に「何か違うことにも挑戦したい」と思っていた時に銀河高原ビールさんのビールを思い出して、クラフトビール造りを今後の仕事としてやっていきたいと決意しました。その後、SNSでクラフトビールについて調べている時に、小川町のブルワリーである『麦雑穀工房』さんで、麦から造る地ビール体験を実施しているのを知りました。
2014年にそのイベントに参加をして「ビールってこのように造るのか」と興味が湧きました。この時の実体験がきっかけで日本各地のクラフトビールを飲み歩くようになったのです。
全国のブルワリー行脚、秩父麦酒との出会い。
−具体的にどちらのブルワリーに行かれたのですか。
坪内さん
独立後は本格的にビール造りのことを学びたく、関東周辺のブルワリーを見学させて頂いておりました。麦雑穀工房さんでは、醸造所の見学という形で数回お手伝いをさせて頂いておりました。また山梨県にある『アウトサイダーブルーイング』さんや静岡県にある酪農王国オランチェさんで麦を発芽させる精麦やビールの麦芽を造る工程などを仕込みから全て拝見させて頂きました。
埼玉県秩父でまほろバルをオープンしたのですが、まずは地方の方にクラフトビールを知っていただくためクラフトビールを飲めるお店としてゲストビールの提供を行いながら、後からクラフトビールを造っていこうと計画を立てていました。丁度その頃、縁あって秩父でクラフトビールを造りたいというのちの醸造長の丹広大さんと出会うことができました。
すでに飲食店をオープンした後だった私と、ブルワリーをひとりで立ち上げるので秩父市内にタップルームまでは作れないという丹さんの話だったので、「私のお店の方で造ったビールを販売させてくれないか」と相談し、現在では『秩父麦酒オフィシャルタップルーム』という形式で展開しています。
−秩父麦酒の立ち上げはどのような経緯があったのですか。
坪内さん
ブルワーである、丹さんが醸造所をつくる前の話なのですが、ジョギングをしている時に吉田町を通って、自然豊かで水も綺麗な町の雰囲気に魅了されたようです。過疎化が進んでおり、いつかここに醸造所をつくり貢献できればと思っておりました。
その後、秩父に大雪が降った年があったのですが、丹さんが除雪のためボランティア活動で秩父に訪れて、ボランティア活動の帰り際に立ち寄ったコンビニで、「実は吉田町には使われていないビールの機材がある」という話を聞いたのがきっかけで、醸造所設立が実現できそうと思ったと聞いております。
−秩父麦酒の特徴を教えてください。
坪内さん
秩父麦酒の特徴は、初めてクラフトビールを飲む方でも飲みやすいビールになっていることです。フルーティーな味わいで苦味を抑えて造っております。地域とのコラボレーションもしていて、秩父の隣町の吉田町に醸造所が立地しています。吉田町の特産品である、かぼすの果汁やブルーベリーを使用したビールを造っております。
まほろバルが提供するビールとは。
−まほろバルさんで提供している秩父のビールは何種類ぐらいあるのですか。
坪内さん
基本的には常時10種類の秩父ビールが楽しめます。醸造所では年間、30種類以上のビールを醸造しており、その中から毎月2種類から3種類の新作のビールを入れ替えながらまほろバルにて提供しております。
−特にオススメのビールはございますか。
坪内さん
定番のビールをご紹介いたします。
まずは『華熊』というペールエールのビールになります。アメリカのホップを使用していて華やかな香りでとても飲みやすいビールです。苦いビールが苦手な方でも飲めるビールになっています。
坪内さん
他には『紅熊X』という少し名前が変わったビールもオススメです。秩父にベンチャーウイスキー蒸留所というウイスキーの蒸留所がありまして、そこでは『イチローズ・モルト』というウイスキー銘柄を造っています。紅熊Xはイチローズ・モルトの樽を造る際の破材を頂いてビールに香りをつけました。木樽に入れたような香り豊かなビールになっております。
坪内さん
最後に『樽熊』というビールもオススメです。『強熊』というストロングセゾンビールを造っているのですが、強熊をベンチャーウイスキーさんの木樽で寝かせたビールになります。ウイスキーに用いられるシェリー樽やバーボン樽の香りがする、複雑で芳醇な香りがするビールになっております。ウイスキー樽で熟成している分、量も少ないのでとても貴重なビールですので、お店のイベントなどで飲めるビールになっております。
坪内さん
クラフトビールマニアの方には紅熊Xと樽熊の飲み比べもおすすめでございます。
−ビール名に『熊』がついていると思うのですがどのような意味があるのですか。
坪内さん
秩父ビールの醸造長の奥様が北海道の旭川市出身でして、子どもの頃に行った動物園の白熊が好きで、熊をモチーフにしたいという思いがあったそうです。また醸造長の丹さんの見た目が熊に似ているということもあり、熊を使った名前をビールにつけるようになりました。
坪内さん流の食事とのペアリング。
−名前にはそのような由来があったのですね。それぞれのビールに合わせると良い食事はありますか。
坪内さん
華熊ですと、オープン当初から造っている自家製の唐揚げとの相性が良いです。秩父麦酒を唐揚げの漬けタレに使い、一日ほどタレに鶏胸肉を漬け込んでいます。通常、唐揚げには鶏もも肉を使用するのですが、鶏胸肉を使うことによって、ジューシーな唐揚げになっております。油分も少なく、噛めば噛むほど旨味が広がりますので、華熊との相性はとても良いです。
坪内さん
紅熊Xは、自家製の燻製ナッツと相性が良いです。燻製ナッツはさくらチップとイチローズ・モルトの木樽に使われるミズナラのチップを加えて香り付けをしているので、ビールとナッツの香り同士がペアリングしたときに良い相性となります。
坪内さん
強熊はアルコール分が10%で重いビールなので、自家製で焼き上げている濃厚ガトーショコラなどのスイーツとの相性がとても良いです。お酒を飲んだ後のシメのスイーツと強熊で楽しんでいただいてもいいのかなと思います。
−最後にメッセージをお願いします。
坪内さん
種類豊富で美味しい秩父麦酒をいろいろ飲んで欲しいという思いがございまして、まほろバルではそういった方向けにビールの飲み比べセットという商品を販売しております。
飲み比べセットは100ccから120ccの小さなグラスで好きなビールを3種類または5種類を選んで楽しむことができます。また、クラフトビールの選び方がわからない方には、その日のオススメビールもご用意しておりますし、5種の飲み比べセットを2つ頼んで頂ければ、秩父ビールを全部堪能することも可能でございます。
今後はまほろバルオリジナルのビールも造っていきたいと思っておりますので、今まで以上にバラエティー豊かで美味しいビールを楽しんで頂けたらなと思っております。
Director’s Voice
まほろバルでは現在、新型コロナウイルスの影響で店舗は休業中とのこと。営業再開に向けてお酒の持ち帰りができる「期限付酒類小売業免許」を申請している最中ということで、今後はグラウラーや瓶などの形状でビールのテイクアウト販売に期待ですね。営業が再開となるまで非常に待ち遠しいですが、今後もまほろバルの動向は要チェックです。
Junki Tada
まほろバルについて
店舗名 | まほろバル |
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住所 | 〒368-0041 埼玉県秩父市番場町17−14 |
TEL | 0494-26-7303 |
営業時間 | 11:00〜20:00 LO20:00(水曜・木曜定休) |
公式サイト | https://www.chichibu-lab.jp/index.php/shop/mahollobar/ |
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