「常に新しい感覚でビールを造りたい」
「日本最高峰の醸造家が手掛けてきたビールを守り続けたい」
山梨県の標高1230mの八ヶ岳南麓の自然に包まれた環境に立地する”八ヶ岳ブルワリー”。初代醸造長はあの「一番搾り」や「ハートランド」を世に送り出したビール職人の巨匠、山田一巳氏。この清里の地にクラフトビールを通して美味しさと、感動を届けたいという想いで1997年に醸造をスタートさせた”八ヶ岳ブルワリー”の三代目醸造長の松岡さんにお話を聞いてきました。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部和田(以下、BANSHAKU和田)
好きなものはお酒とゴルフ。最近は毎日の晩酌を楽しくするために燻製作りに没頭中。ぬか床にもチャレンジしています。
八ヶ岳ブルワリー 松岡さん
1983年10月8日広島県(府中市)出身。2007年東京農業大学醸造学科卒業後、八ヶ岳ブルワリーに就職。2016年から醸造責任者に。
第一次地ビールブーム到来!山梨県内で初のブルーパブをスタート
本日はよろしくお願いいたします。まずはビール事業を起こそうと思ったきっかけを教えてくだい。
弊社は、萌木の村株式会社が運営するブルワリーになります。山梨県の清里という地に醸造所を構えており、醸造を開始する前の当時の社長が「この清里という地に何か特産品となるものをつくりたい」と想い、1997年に地ビールブームをきっかけに当時山梨県内では初のブルーパプ形式でビール醸造をスタートさせました。
1997年当時は山梨県内で初のブルーパブだったのですね。
八ヶ岳ブルワリーは、ROCKというレストランに併設したブルワリーで”タッチダウン”というクラフトビールブランドを造っています。
清里の開拓の父でもある、ポール・ラッシュ博士はアメリカンフットボールを日本に広めた人物としても知られていますが、ポール・ラッシュ博士の意思を引き継いでいくために私たちが造っているビールで「美味しさと感動というゴール(タッチダウン)を目指したい」という想いが込めれ、タッチダウンというブランド名にしました。
松岡さんが醸造家になったきっかけとは
アメリカンフットボールのタッチダウンから付けられていたのですね。松岡さんがクラフトビールを造るきっかけとなった経緯を教えてください。
八ヶ岳ブルワリーの最初の醸造長は、キリンビール社の”一番しぼり”や”ハートランド”の醸造開発責任者を歴任した、日本最高峰のビール職人である山田一巳さんが勤めておりました。
私は東京農業大学の醸造学部出身で、授業でおこなわれたビール造りの実験で、もともとビールが好きだったということもありビールの魅力にどんどん魅かれていきました。そんなときに山田さんのビール職人に関する本を見つけてブルワーとして生きていくことを決意したのです。
そして初代醸造長として山田さんが勤めていた八ヶ岳ブルワリーに入社することを決めました。その後ビール造りに関するノウハウを学び、現在は3代目醸造長として日々の醸造に取り組んでおります。
松岡さんで三代目の醸造長になるのですね。貴社の歴史を感じます。八ヶ岳ブルワリーさんではどのようなビールを造っているのですか。
弊社ではジャーマンスタイルが主流になります。山田さんがドイツに研修に行った際に飲んだラガー系のビールが「日本人の味覚にあっているのではないか」と感じ、創業当初からラガー系のビールにこだわりを持って造っております。
一杯目専用ビールがおすすめ!?”八ヶ岳ブルワリー”のおすすめの商品&フードペアリングのご紹介
おすすめのビールを教えてください。
今定番で5種類、季節限定品も合わせると年間で10〜13種類程造っております。その中で去年誕生した、「一杯目専用生ビール」というキャッチコピーがある”ファーストダウン”という商品はおすすめです。
”一杯目専用生ビール”とは斬新なキャッチコピーですね。どのようなビールなのですか。
ビールが一番美味しいと思える瞬間は、一杯目だと思います。そんな大切な一杯目を「とりあえずで飲むのではなく最高の体験にして欲しい」という想いがあり造ったビールです。
確かに一杯目のビールは不思議と美味しく感じます。
原料に地元のブランド米である”梨北米”を使用していてまろやかな口あたりで、アロマホップの爽快感も感じられます。一杯目にふさわしいこれからの夏にとてもおすすめの商品です。
もう一つは、今の季節限定商品の”ヴァイス”になります。こちらはタッチダウンで唯一のエール系のスタイルです。ドイツから取り寄せた新鮮な酵母を使い、バナナや白桃を思わせる華やかでフルーティーなエステル香を感じられます。
ラガー系の多い八ヶ岳ブルワリーさんで今の時期しか味わえないビールですね。ご紹介いただいたビールのおすすめのペアリングを教えてください。
ファーストダウンはまろやかで軽い飲み口なので、お食事と合わせてもらっても十分美味しいですが、最初の一杯目に”食前酒”として楽しんでもらいたいと思っております。
最初の一杯目と聞いて僕も乾杯したくなってきました。
ヴァイスはフルーティーな味わいになるので、あっさりしている料理との相性がいいです。ROCKで提供している地元の野菜を使ったサラダがおすすめですね。
地元の野菜を使ったサラダはとても美味しそうですね。最後に、これから八ヶ岳ブルワリーさんが挑戦したいことはございますか。
これからは「山梨県内のブルワリーさんとのコラボレーションビールを更に強化していきたい」と思っております。コラボレーションすることによってノウハウを学び、新しいビールにも挑戦して山梨県から全国にブルワリーの輪を広げていきたいと思っております。
ありがとうございます。クラフトビールファンの僕としては、コラボレーションビールはとてもワクワクして素敵な取り組みだと感じました。本日はありがとうございました。
Director’s Voice
八ヶ岳ブルワリーで造られるビールはオンラインショップからの購入も可能で、グラウラーやペットボトルでのテイクアウトも充実しています。松岡さんは「こんな時期だからこそクラフトビールで世の中を盛り上げていきたい」と力強く話されていました。新型コロナウイルスの影響でレストランのROCKは時間短縮で営業されておりますが、ご家庭でも味わえる八ヶ岳ブルワリーをぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。
Junki Tada
八ヶ岳ブルワリーについて
ブルワリー名 | 八ヶ岳ブルワリー |
---|---|
住所 | 〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里 3545 萌木の村 |
TEL | 0551-20-7552 |
ホームページ | https://www.yatsugatake-beer.com/ |
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