【異色の経歴を持つ。クラフトビールへの探求心に磨き上げ地元を愛する醸造者がビールへの熱い思いを心血注ぎ込んだクラフトビールを生み出す
「自然を大切にするという気持ちを感じながら飲んでほしいですね」
群馬県みなかみ町にブルワリーを構える”オクトワンブルーイング”。代表兼ヘッドブルワーである竹内さんは「クラフトビール造りを通して地元の森林保護に繋げていきたい」と考え2018年に設立されました。ここでは竹内さんにお聞きした、どのようなビールを造っているのかやフードペアリングなどについてご紹介していきます。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。
オクトワンブルーイング 竹内さん
ランニング、登山、釣りが趣味。自然と人が共存できる社会にあこがれる醸造家。NHKラジオは藤井さんと神門さんの方が良かった。
地元の森林保護をしていきたいという想いからビール醸造の世界へ
本日はよろしくお願いいたします!まずは会社を立ち上げた経緯を教えてください。
少し長くなってしまうのですが、私は以前、東京都内で働いておりいつか地元に戻って新しい仕事をしたいと思っていました。
そしてあるとき、私の地元である群馬県みなかみ町で大規模な土石流が起こりました。それをきっかけに私自身、森林保護に興味をもつようになったのです。
森の間伐材を使った事業を立ち上げようと思っていました。しかし2011年に起きた東日本大震災の影響で事業立ち上げが難しくなってしまい、諦める決断をしました。
地元の自然を守っていきたいという竹内さんの地元愛を感じます。その後のお話もお伺いしたいです。
その後ドイツやイギリスなどに行く機会があり、ヨーロッパの文化に触れるなかでヨーロッパの小さな町にはブルワリーがいくつもあるということを知りました。決して大きな町では無いのにもかかわらず、住人の方々がブルワリーを誇りに思い生活の一部になっていたのです。
このことを素晴らしいと感じ、日本に帰国後、自分でもビールを造っていきたいと思うようになり、醸造について勉強をするようになりました。みなかみ町は利根川の原流域で美味しい水がありビール造りに適した土地でもあります。
「ビール造りを通してその美味しい水を守っていくことによって森林保護に繋がる」と考え、2018年に弊社は群馬県みなかみ町にオクトワンブルーイングを設立しました。みなかみ町の特産品や魅力を再発見できるようにクラフトビールで表現していきたいと思っています。
飲みやすさを追求した”オクトワンブルーイング”おすすめのビール
ビール造りを通して森林保護をしていくことはとても素晴らしい考え方だと思います。オクトワンブルーイングさんではどのようなビールを造っているのですか。
現在、定番商品として発売しているのが6種類になります。また、季節ごとにみなかみ町の特産品を使った限定商品も造っています。
弊社のこだわりとして、美味しい水を生かすために麦芽のえぐみを極力抑えるようにしてビール単体でも楽しめるように醸造しています。
人気の商品はどちらになりますか。
まず1つ目は、”オクトネ・エール”という小麦麦芽とアメリカンホップを使ったアメリカンウィートエールです。小麦麦芽をふんだんに使用しており口当たりもまろやかで、柑橘系のフルーティーな味わいに仕上がっています。お客さんからも飲みやすいビールだとよく喜んでいただいているビールです。
ビールが苦手な方でも飲みやすいビールになっているのですね。
2つ目は、赤城山麓産のゆずを使った”ゆ・ゾン”というフルーツセゾンです。こちらは醸造工程のときに2回に分けてゆずを使用しており、ゆずの皮の苦味を感じないように造っています。口の中にゆずの爽やかな香りが広がりとても人気のある商品です。
”ゆ・ゾン”が可愛らしい名前ですね。
3つ目は、”アップストリームIPA”という弊社で唯一のIPAになります。アメリカンホップを大量に使用しグレープフルーツのような柑橘系の香りも感じられ苦味を抑えています。苦味が苦手な方でも飲みやすいIPAに仕上がっています。
竹内さんが教えてくれたフードペアリングのご紹介
IPAが好きな方から苦手な方まで飲みやすいIPAになっているのですね。おすすめのフードペアリングはございますか。
弊社はブルワリーと併設したタップルームがありますのでそちらで提供している料理とご家庭でも楽しめるペアリングをご紹介したいと思います。
レストランではイワナを一匹まるごと燻製した料理と手作りのチリソースがあるのですが、どのビールと合わせてもらっても美味しいと思います。おすすめですね。特にイワナの燻製は”カヤバ・セゾン”というビールとの相性が抜群です。
BANSHAKU編集部でも燻製の食品をよく作りますが、イワナを一匹まるごと使った燻製はやったことがないです。
ご家庭ではみなかみ町にある”育風堂精肉店”さんのウインナーと合わせてもらったら絶品です。私の方で育風堂精肉店さんのソーセージと弊社のビールでペアリングをおこない、最も相性が良かったソーセージとビールをセット商品としてオンラインショップでも販売しています。
”みなかみセット・育風堂の絶品ウインナー”という商品なので良かったら買ってみてください。
最後に、今後チャレンジしていきたいことはございますか。
今年から畑を借りてホップの栽培に取り組んでおり、今後は自家製ホップを使ったビールを造っていきたいと思っています。また、地元で栽培されている大麦や小麦を取り入れていきたいですね。
みなかみ町は自然豊かな町ですので、自然を大切にするという気持ち感じながら、みなさまにはぜひ弊社のビールを飲んでほしいと思っています。
Director’s Voice
オクトワンブルーイングさんで造られるビールはオンラインショップ、テイクアウトでの購入も可能です。今回の取材を通して「地元の自然を守っていきたい」という竹内さんの地元愛を感じ、私の地元にも何かできることはないのかと考えさせられました。竹内さんの思いがたくさん詰まったこだわりのビールをこの機会に試してみてはいかがでしょうか。
Junki Tada
オクトワンブルーイングについて
ブルワリー名 | オクトワンブルーイング |
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住所 | 〒379-1617 群馬県利根郡みなかみ町湯原702-2 |
TEL | 0278-25-4520 |
ホームページ | https://oct-1.com/ |
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