「黒部産二条麦を育てて、美味しい水と一緒に使ったビール造りを町おこしの起爆剤にしたい」
「新潟県といったら胎内高原ビールだよね、と言っていただけるような新潟県の顔となるビールを造りたいです。」
新潟県胎内市にあるブルワリー”新潟ビール醸造株式会社”をご存知でしょうか。もともと胎内市にあった胎内高原ビール園を新潟ビール醸造の代表である須貝さんが2014年に引き継がれ、ビール品評会でもアジア最高賞を獲得した経験があるブルワリーです。
度重なる苦難にも負けず、クラフトビール業界でもっとも勢いがあると言われる新潟ビール醸造株式会社の須貝さんに本日はお話を伺っていきます。
今回の登場人物
BANSHAKU編集部多田(以下、BANSHAKU多田)
好きなお酒はビール(セゾンスタイル)。ビアテイスターの資格を持っている。最近、自宅居酒屋化計画を実行中。詳細は謎に包まれている。
須貝貴之 (すがい・たかゆき 以下、新潟ビール醸造 須貝さん)
1983年新潟県村上市(旧荒川町)生まれ/37歳
2014年 31歳で新潟ビール醸造株式会社を承継し、代表取締役社長に就任。胎内市営時代を含め14年間一度も黒字化になったことがない事業を僅か3年で黒字化に成功、2016年クラフトビール出荷伸び率ランキング1位を取得。現在、製造業・飲食業など様々な分野に挑戦している。
胎内市のビール事業再生のため事業を引き継いだ新潟ビール醸造
本日はよろしくお願いいたします!まずはどのようにして事業を始められたかを教えて欲しいです。
”新潟ビール醸造”は新潟県胎内市の地域おこしの一環として1999年に第三セクターとして運営が始まった”胎内高原ビール園”が元となります。その後地ビールブームが去り第三セクターで経営していくことが困難となり、2014年に一度営業をストップしました。
一方、私自身は昔から30歳で経営者になりたいという目標があり、その目標を叶えるため新潟県で事業支援をおこなっているアルビレックス新潟の母体でもあるNSGグループという会社で働いておりました。その会社から事業支援や出資をしていただき、事業再生というテーマのもと2014年に胎内高原ビール園を引き継いだのです。
ビールを造っていこうと思われたのはなぜだったのですか。
以前、大手求人広告企業に勤めていたこともあり、新潟県で求人の取材などをしていく中で、地方で働きたい会社がないため上京する方が多くいることがわかりました。
それであれば自分が面白い会社をつくりたいと思い、先ほどお話しした事業再生のお話もあってビール造りを始めたのです。また、私は地元が新潟県胎内市の近くで昔からビールのことは好きでした。
マイナスのスタートからアジア最高賞に輝くビールへ
いろいろな巡り合わせがあったのですね。ビール事業を起こされて、苦労や大変だったことはございますか。
もともと別の業界での仕事をしていたため、ビールを造ることや売ることは初めての経験でした。最初は売り先もなく、安定したビール造りができなくてお金が出ていく一方だったことはとても苦労しましたね。
まずは安定したビールを造るために他のブルワリーさんから醸造について教えていただいたり、販売ルートを確保するためにビアフェスに参加しました。その甲斐あって大変なことでもどうにか乗り越えることができたのだと思っています。
現在では”ワールドビアアワード”というビールの品評会でアジア最高賞をいただくことができまして、今思うとたくさんの危機を乗り越えてきたからこそ、多くのことを学ぶことができたのだと思います。とてもいい経験になりました。
新潟県の顔となるビールとは
たくさんの苦労を乗り越えた経験が今の新潟ビール醸造の糧となったのですね。ビールを造る際のこだわりやコンセプトはございますか。
弊社は「初めてクラフトビールを飲んだ人が感動するようなビール造る」というコンセプトを掲げております。
また、新潟県を盛り上げて貢献できるような存在を目指しているので「新潟県といったら胎内高原ビールだよね」と言っていただけるような新潟県の顔となるビールを造りたいです。クラフトビールの楽しさや多様性を多くの方に知っていただきたいですね。
新潟ビール醸造さんのおすすめのビールを教えてください。
弊社は現在、2ブランドのビールを展開しており、その中でも新潟らしい”吟蘢”というブランドを紹介したいと思います。吟蘢はどの商品も新潟県産のコシヒカリを原料として使用しており、非常に飲みやすく個性的なブランドになります。
”吟籠IPA”というビールは3種類の柑橘系ホップの香りと強い苦味が調和されて、お米を感じるほのかな味わいとスッキリとした飲みやすさのバランスが絶妙な、新潟らしいIPAに仕上がっています。
また、”吟籠WHITE”というビールは4種類の柑橘系ホップを使用した華やかな香りとお米を感じるほのかな味わいで、香りが高く苦味を抑えたフルーティーなビールに仕上がっています。
吟籠にぴったりなフードペアリングのご提案
コシヒカリを原料に使われているのはまさに新潟らしさを感じますね!ご紹介いただいた、吟籠IPAと吟籠WHITEに合わせたフードペアリングのおすすめはございますか。
吟籠IPAは苦味が特徴であるので、お肉系の料理との相性が抜群ですね。ステーキやハンバーグ、照り焼きなどといった味の濃い料理が特におすすめです。吟籠WHITEは白身魚との相性がいいです。お寿司と合わせて美味しくいただけると思います。
現在ではお寿司屋さんや和食料理屋さん、そして海外にも取り扱っていただいており、ラベルも”和”を感じられるようなデザインになっています。日本食に寄り添ったビールであるのが特徴ですね。
Director’s Voice
新潟ビール醸造さんは事業成長がめざましく、クラフトビール業界において2016年出荷量伸び率ランキングNo.1だったようです。取材中にも須貝さんから発せられる言葉の一つ一つには勢いを感じ、飛ぶ鳥撃ち落とす勢いで活躍されているブルワリーさんなのだと実感しました。ご紹介した吟籠シリーズはオンラインショップでも購入することができるそうです。この機会にみなさんも手を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。
Junki Tada
新潟ビール醸造株式会社について
会社名 | 新潟ビール醸造株式会社 |
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住所 | 〒951-8061 新潟市中央区西堀通3番町790番地 |
TEL | 0254-48-2020 |
ホームページ | https://www.tainaibeer.com/index.html |
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